のらり、そしてくらり。

国際結婚により思いもよらず人生がドイツに不時着した日本人妻の奮闘記。

ドイツ入り~フィジカル編~

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2020年7月某日、 ようやくドイツへ入国!

ドイツ人と結婚後、絶賛コロナ禍により数ヶ月の様子見と待機期間を経て、日本からの渡独を果たしました。

 

~未曽有のコロナ禍、紆余曲折を経て無事入国するまでの記録~

コロナウイルスの感染拡大により3月からEUがEU圏外の国からの入国を拒否。私はその時点で日本での待機を決意しました。最終的に「ドイツ人と結婚しています」という証明をすることで入国できたので、今考えると、あの時点でも同じ手段で入国できたのでは?と思う疑問は残りますが、リスクがある中無理しなくてもいいかな、ポジティブに捉えれば日本の家族と過ごす時間が延びるし、という気持ちでした。

 

7月1日

EU、圏外からの入国規制を緩和!』

 

の一大ニュース。

ようやく行けるのでは!という胸の高鳴りと、交錯する様々な情報。どうやらEUが圏外からの入国規制を緩和しても、EUに属するすべての国が規制を緩和したわけではない模様。それぞれの国によって方針が違うらしい。よし入れる!と思って日本から飛んできた日本人がドイツの空港で続々と入国拒否されているという情報も。一体どうすれば…。正しい情報が欲しくて大使館に問い合わせました。

 

「入国に関する最終判断は現地の連邦警察に委ねられていますので、そちらにお問い合わせください」

 

連邦警察…。さては大使館、テキトーなこと言って入国拒否されたときに責任が取れないから他機関へ回したのでは…という疑念を抱きつつ、現地にいる夫の助けを借りて連邦警察へ問い合わせました。

 

「日本人の配偶者ですか。規定では入れますね。入国の際に結婚を証明する書類を入国審査官に見せてください。」

 

お?え?なんと軽い!サクッとOKの返事が。軽すぎて信じていいのか迷うレベルでどうやら入れるらしいことが判明しました。そうとなれば次のステップは結婚を証明する書類とやらの準備です。

 

【書類準備】

実は日本で婚姻手続きを済ませたのち、渡独後にドイツで婚姻の手続きを行うつもりで既にいくつかの書類を取り寄せてありました。

 

国際結婚の手続きについてはまた別の記事にまとめる予定ですが、ざっくりまとめると、夫、妻の両国でそれぞれ婚姻手続きをする必要があります。どちらの国で先に手続きを行うかは自由ですが、国によって煩雑さが異なるようです。ドイツと日本の場合、日本での手続きの方が簡単だと聞いたので私たちは日本で先に婚姻届けを提出しました。その後、日本で「結婚証明書」なるものを発行してもらい、それをドイツの役所に届け出ることでドイツでの婚姻が成立するそうです。(この最後の行程については私たちはこれからなので、後日記事にします。)

 

ここで浮上するのが、結婚証明書とは?という疑問です。日本の役所で「結婚証明書の発行をお願いします」と言うと、日本には「結婚証明書(Marriage ⅽertificate)」という名の書類が存在しないため、ポカンとされます。が、要は日本で結婚が成立していることが証明できればいいということで、以下の書類が該当するようです。

 

戸籍謄本

婚姻届受理証明書

婚姻届記載事項証明書

 

おそらくどれか一つあれば結婚は証明できます。心配性かつ疑い深い私は戸籍謄本と婚姻届記載事項証明書(婚姻届と婚姻届を提出する際に提出した全ての書類のコピーがホチキスで閉じられたもの)の二つを取得しました。ようやく準備完了!と思いきや、書類の提出先が日本ではなく外国であるため、もう一手間かかります。

 

アポスティーユ

(簡単に言うと外務省による「この書類は日本国が発行した正式な書類です」という証明)

認証翻訳

(認証翻訳士(つまりプロ)による書類の現地語への翻訳)

 

の取得です。詳細はここでは省きますが、書類の準備には予想をはるかに超える時間とお金がかかるので計画的に!トホホ


 【移動】

日本からドイツへのフライトは片道5万円台からあります。ピンキリです。価格が安いフライトは中東経由が多い印象で、もちろんトータルのフライト時間が長くなります。

 

このコロナ禍、第三国を経由し不特定多数の人間と接触するリスク、空港までの限られた交通手段などを考慮し、少し値段は張りましたが直行便を選択しました。

 

当日、日本の空港はガラガラでした。不安になるほど人の気配がなく静かなターミナル。"空港"のイメージとかけ離れすぎていてショックでした。チェックインの際にドイツの滞在ビザの提示を求められました。ドイツに入国できないリスクがある人を運ばないためです。私の場合ドイツ入国後に配偶者ビザを申請するのでまだ持っていなかったのですが、準備してきた結婚証明書類を提示することで通してもらえました。

 

12時間のフライト。乗客は20人ほどだったと思います。ガラ空きで座席は自由に使い放題でした。コロナの影響で機内食も簡素化されていると聞いていましたが、そんなこともなく。メニューを選ぶことはできなかったけれどちゃんと機内食でした。こんな状況でわがままは言いません、赤字であろうフライトを飛ばしてくれていることにただただ感謝です。

 

ドイツの空港に到着すると、そこもガラガラでした。普段空港では人の流れに沿って進めば何も考えなくとも入国審査、手荷物ピックアップ、出口まで行けますが、人の流れが全くないので自分で進行方向を確認しながら歩く必要があり緊張しました。入国拒否という最悪の結果への不安を感じながら入国審査官に

 

ドイツ人との結婚を証明する書類

ドイツ人夫のパスポートのコピー

連邦警察からの「入れるよ」のe-mailをプリントアウトしたもの

 

を手渡すと、滞在期間を問われたので、入国後にビザを申請して長期滞在する旨を伝えました。やりとりは以上、スムーズすぎて拍子抜け〜!

 

ちなみに空港でのPCR検査の義務はなく(任意。やりたい人は有料でできます。)、14日間の自己隔離についても機内でそれに関する注意書きの紙が一枚そっと配られただけでした。緩いぞ、こんなにゆるゆるでいいのかドイツ?と思ったけれど、島国の日本とは事情が違うのでしょう。

 

こうして無事ドイツ入りを果たしました。これまで住みたいと思ったこともなかった未知の国ドイツ。そこへ住むためにやって来た私。唯一の理由はドイツ人の夫。これから始まる結婚生活に乞うご期待!

 

次回予告

ドイツ入り~エモーション編~

ドイツに嫁ぐにあたっての心の揺れ、今しか書けない新鮮な心情を書き留めます。